マンションでカメムシが大量発生する理由|集合住宅ならではのリスクとは?
一戸建てのイメージが強いカメムシの被害ですが、実はマンションやアパートのような集合住宅でも大量発生することがあります。その原因や特徴を正しく理解し、早めに対策を講じることが大切です。
原因①:産卵サイクルと気象条件が重なると一気に増える
カメムシは、5月下旬から8月にかけて産卵し、秋にかけて成虫となって活動が活発化します。特に梅雨明け後に気温が高くなると、個体の成長スピードが早まり、秋には大量発生につながることがあります。
また、前年が暖冬だった場合は、多くの個体が越冬に成功し、翌年の発生数が増える要因になります。
原因②:集合フェロモンで1匹から群れに発展する
カメムシは仲間を呼び寄せるフェロモン(集合フェロモン)を出します。1匹見かけたら、その周囲に複数匹が潜んでいる可能性が非常に高いです。
特にマンションのベランダや外壁、換気口の近くなどに1匹ついていた場合、それをきっかけに数十匹以上が同じ場所に集まってくることもあります。
原因③:高層階でも油断できない!飛行能力が高いカメムシ
「うちは高層階だから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、カメムシは飛行能力が高く、10階以上でも問題なく飛来してきます。
特に、夜間に室内の光が漏れていると、照明に誘われて飛んでくるケースが非常に多く、網戸の隙間や換気口などから侵入されてしまいます。
マンションでのカメムシ対策|管理人への相談と個人でできる対処法
マンションでは、共用部分に関わる問題については管理会社や管理人に相談することが第一歩です。併せて、自分の部屋への侵入を防ぐための対策も重要です。
共用部分の対策は「管理人に相談」が基本
マンションの共用部(廊下、玄関周り、外壁、外灯など)にカメムシが発生している場合は、住人個人ではなく管理人や管理会社に報告しましょう。
管理人に依頼できること:
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共用部への防虫スプレーの散布
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外壁や廊下照明の点灯時間調整
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プロの業者による駆除・定期的な消毒の手配
補足:共用部の防虫対策が遅れると、自室への侵入リスクが上がるため、早めの報告と対応が重要です。
室内への侵入を防ぐ!5つのセルフ対策
マンション住まいの方でも、個人でできるカメムシ対策はたくさんあります。ポイントは「侵入を防ぐ」+「寄せつけない」の二段構えです。
① 網戸や窓サッシの隙間にテープを貼る
カメムシは、2mm程度の隙間があれば簡単に入り込んでしまいます。特にマンションの引き違い窓や網戸は、年数が経つとズレやすくなります。
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防虫成分入りの隙間テープを貼る
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サッシの上下左右をしっかり塞ぐ
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ドアの隙間にはモヘアテープで対処
② 換気口や排気口にはフィルターを取り付ける
換気扇やエアコンの通気口からも侵入されることがあるため、専用の防虫フィルターや換気扇カバーを使いましょう。
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100円ショップやホームセンターで購入可能
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エアコンの排水ホースには逆止弁(虫よけキャップ)を設置
③ 忌避剤スプレーで近づけない
市販のカメムシ専用忌避スプレーを、網戸や窓枠にまんべんなく吹きかけることで、近づかせない効果が得られます。
忌避スプレーのタイプ | 効果の特徴 | 使用場所例 |
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ピレスロイド系 | 即効性と持続性がある | 網戸、窓枠、玄関 |
ハーブ成分配合 | 安全性が高く、香りで寄せつけない | ベランダ、玄関まわり |
④ ハッカ油スプレーやミントで自然に忌避
ナチュラル派の方は、ハッカ油スプレーやミントの鉢植えを活用すると安心です。
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ハッカ油スプレーは網戸や玄関周りに噴霧
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ミントやローズマリーなどの鉢植えをベランダに置く
※小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心して使える対策です。
⑤ 夜間の光対策で飛来を防ぐ
カメムシは光に集まる習性があるため、夜間に室内の光が漏れないよう工夫することが大切です。
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カーテンをしっかり閉める
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玄関やベランダの照明はLEDに変える
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廊下の照明を必要最低限にする(共用部は管理人に相談)
もし侵入されてしまったら?カメムシの正しい駆除方法
それでもカメムシが部屋に入ってしまった場合は、慌てて手で潰すと強烈な悪臭を放ちます。臭いを出さずに安全に駆除するには、以下の方法がおすすめです。
冷凍殺虫スプレーで臭わず一撃駆除
冷却スプレーを使えば、潰さずに凍らせて駆除できるため、臭いが出にくく、後処理も簡単です。
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直接スプレーして一瞬で仮死状態に
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臭いを放たずにティッシュで包んで処理
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冷却後は密封してビニール袋で処分
※「カメムシ凍結ジェット」などが市販されています。
ティッシュや紙コップでそっと捕獲して屋外に逃がす
強烈な忌避感がない方であれば、紙コップと厚紙を使って屋外へ逃がす方法も有効です。
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ゆっくりと紙コップをかぶせて閉じ込める
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下から厚紙などを滑らせてフタをする
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ベランダや屋外に持って行って放す
※誤って潰さないように慎重に取り扱いましょう。
洗濯物からの侵入を防ぐ工夫も忘れずに
マンションのベランダはカメムシの休憩場所になりやすく、洗濯物にくっついたまま室内へ持ち込まれることも少なくありません。
ベランダに干すときの注意点
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白い衣類はカメムシを引き寄せやすいため、室内干しに変更
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柔軟剤の香りも虫を誘引する場合があるため控えめに
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干すときは洗濯ネットを使用すると虫の付着を防げる
洗濯物を取り込む前にチェック
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洗濯物を取り込む前にしっかり振る
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特にタオルや袖口、フード部分は虫が潜みやすい
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一度取り込んだ後は念のためその場で確認する
まとめ|マンションでもカメムシ対策はできる!
マンションでのカメムシ大量発生は、1匹を見逃すことで一気に拡大するリスクがあります。しかし、共用部の管理と室内対策の両面からしっかり対応すれば、侵入と被害を大きく防ぐことができます。
この記事のポイント
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マンションでも高層階でもカメムシは侵入する可能性あり
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共用部は管理人や管理会社に相談する
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自分の部屋には隙間対策、忌避剤、光対策を組み合わせて対応
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ハッカ油やミントの香りも効果的
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冷却スプレーや紙コップで臭わずに駆除
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洗濯物への付着対策も忘れずに