庭や通学路の並木、公園のケヤキにあふれる緑は、地域の誇りです。
しかし、梅雨時期から夏にかけてアメリカシロヒトリや松くい虫が大量発生すると、せっかくの緑が一夜にして葉を失う恐怖に直面します。
個人宅の庭木や公園の樹木に被害が及ぶと、自分の敷地の維持管理だけでなく、近隣への影響や景観の損失にもつながります。
須坂市では、原則として樹木の所有者が害虫駆除責任を負いますが、地域全体で一斉駆除を行うときには市が機器を貸し出して支援してくれます。
この記事では、「うちの栗の木が食害されて困っている」「ご近所で幼虫がうじゃうじゃいる」という市民の悩みに寄り添いながら、個人宅で何をすべきか、市の支援をどう活用するかを具体的に解説します。
個人宅での害虫駆除責任
須坂市では、市有林や公園施設を除き、庭木の管理・駆除は樹木を所有する個人の責任と定められています。
自宅の敷地内に生えている柿やウメ、ケヤキなどの樹木にアメリカシロヒトリの幼虫が繁殖している場合、所有者自身で幼虫の除去や殺虫剤散布を行わなければなりません。
市は個別の依頼には応じないため、「知らなかった」では済まされず、近隣に被害が広がる前に早めの対策が求められます。
自治会で一斉駆除をするメリットと手続き
隣接する複数の家や町内会で同時期に駆除を行うと、被害の拡大をより効果的に防げます。
須坂市は、自治会単位でアメリカシロヒトリやその他害虫の一斉駆除を実施する場合、専用の防除用機器を貸し出しています。
利用したい自治会は、区長を通じて市役所環境保全課へ申し込み、日時や場所を調整した上で機器を借り受けましょう。
これにより、個人で高価な機器を購入・管理する負担を軽減し、地域ぐるみで安価に効率的な駆除を行えます。
アメリカシロヒトリ駆除の具体的手順
幼虫が葉裏に密集しているのを発見したら、早朝や夕方など活動が鈍い時間帯を狙って枝ごと切り取り、ビニール袋に閉じ込めて可燃ゴミとして処分します。
自治会で借りた噴霧器を使用する場合は、幼虫の密集場所に低空でピレスロイド系の殺虫剤を散布し、その後10日ほどしてから再度点検して抜けがないかを確認するのがポイントです。
服装は長袖・ゴム手袋・防護眼鏡を着用し、肌や衣服への殺虫剤付着を防ぎましょう。
松くい虫被害対策の進め方
須坂市は「松くい虫被害対策実施計画」を策定し、被害が顕著な地区から順次防除を進めています。
個人宅の松に被害が見られる場合は、計画に基づく防除区域に含まれているか市役所へ問い合わせ、専門の業者による薬剤注入や伐採処理のスケジュールを確認しましょう。
区域外でも、自費で専門業者に依頼すれば同様の処置を受けられます。
害獣駆除やその他虫対策の相談先
ネズミやスズメバチ、アライグマなどの害獣・大型害虫駆除については、市は直接施工しませんが、長野県内で活動する業者をミツモアやEPARKくらしのレスキューなどの掲載サイトで比較検討できます。
作業範囲や見積もり、保証期間などを複数業者で比較し、信頼できる一社を選ぶのが安心です。
駆除の適期と再発防止策
アメリカシロヒトリや松くい虫は、梅雨前から夏にかけて活動が活発になるため、5月末から6月初旬にかけて幼虫発生の有無をチェックし、一斉駆除を行うのが最も効果的です。
駆除後は、落ち葉や枯れ枝をこまめに掃除し、樹木周りの下草を刈り込んで風通しを良くすることで再発を防ぎます。
また、剪定した枝葉は敷地内に放置せず早めに処分し、幼虫の残滓が繁殖源とならないよう注意してください。
須坂市内での害虫駆除は、個人の庭木なら所有者が主体となって行う一方、自治会での一斉駆除には市が機器貸し出しで支援してくれます。
適期を逃さず、周囲と連携して作業を進めれば、アメリカシロヒトリや松くい虫被害を効率的に抑制できます。
害獣やその他害虫で困ったときは、ミツモアやEPARKを活用して信頼できる専門業者を探し、見積もりや保証内容をしっかり比較しましょう。
事前のチェックと環境整備を徹底し、健やかな緑あふれる須坂市のまちを守っていきましょう。